グリップに巻きつけるだけ〜USB簡単装着タイプの「ロールヒーター」を試してみた【セロー250】

冬のツーリングに欠かせないアイテムのひとつに「グリップヒーター」がありますが、先日、グリップに巻きつけるだけで簡単に装着できるUSBタイプの「ロールヒーター」を着けて夜間に走行する機会がありましたので、装着の方法とインプレッションをお伝えしたいと思います。

「ロールヒーター」導入の背景

「グリップヒーター」は、冬のツーリングのマストアイテムだと思いますが、私は今まで付けるのを躊躇していました。その理由として、

  • ほとんどのグリップヒーターのグリップパターンは林道走行には向いていない(通常PRO GRIPを使用)
  • 一度装着すると付け替えるのが大変なので、通年使用することになる
  • グリップの寿命が来るとグリップヒーターごと買い換えないといけない
  • グリップヒーターはバッテリーに負担がかかる(バッテリー上がりが心配)

また冬季はそんなに頻繁にはツーリングしないので、「グリップヒーター」の優先順位は高くありませんでした。
とはいえ冬場の走行時に手元はかなり冷え込むため、厚手のグローブを使うことになりますが、これも微妙な操作感覚を損なうため、あまり好きではありません。
結局、ハンドウォーマー+オールシーズンのグローブで冬場はなんとかしのいできたのですが、12月の夜間に走行する予定があり、簡易的なグリップヒーターはないものか探していたところ、グリップに巻くだけの「ロールヒーター」を見つけました。
しかもUSB接続で簡単に装着できる安価なものがあったので、この商品を購入して試してみることにしました。

 

購入した商品 〜カエディア ロールヒーター USB

今回購入した製品はこちらです。

カエディアの「ロールヒーター」 105mm USB(5V2A)というタイプ。
メーカーサイトでは売り切れていました(2022.1.1現在)が、amazonでは3500円で購入できます。

この商品を選択した主な理由は、

  • 簡単に着け外しできる(現在のグリップを取り外す必要なし)
  • バッテリーに負担をかけない(最大10W)
  • 面倒な配線作業がいらない(USB電源に差し込むだけ)
  • 安い(3500円 税込)
  • 日本メーカー製

「カエディア」は、神奈川県横浜市で2019年に創業し、インターネットのみで直接販売を行なっているたメーカーです。グローブ、ドリンクホルダー、ドライブレコーダー、USB電源やヘルメットスピーカーなど様々な自社ブランドの商品を開発販売しています。
カエディアではグリップヒーターも数種類が販売されていますが、その中でも一番安価で簡単に装着できるのがこの「ロールヒーター」 105mm USB です。
不要な時にはすぐに取り外しもできるので、グリップヒーターを初めて試してみるにはいい商品だと思い購入してみました。

箱の中の内容はこれだけ

 

装着前に必要なもの

簡単装着が売りですので、装着には工具は必要ありません。
ただし、USBタイプの商品なので、USB電源が必要になります。
もしくはモバイルバッテリーでも作動しますが、その場合必ず、5V2Aのバッテリーを使用してください。
ちなみにセロー250は標準でUSB電源は付いていないので、デイトナのUSB電源を装着しています。

デイトナ バイク用 USB電源 5V/2.1A

 

通電テスト

商品を車体に装着する前に、モバイルバッテリーで通電の確認をしてみます。
温度調節機能は3段階。USBコネクター部のボタンを押すことで、赤:70℃→緑:60℃→青:50℃→OFF の切り替えができます。

装着前にひと工夫

このまま装着してももちろん問題はないのですが、ズレ防止にひと工夫しておきます。

ヒーターの裏側はザラザラな滑り止め加工が施されていますが、念のためズレ防止に両面テープも貼っておきます。熱でべたつかないように、ヒーター部分は避けています。

雨対策として、USB接続部にウレタンスポンジでクッションを作り、とり付けました。

 

装着手順

では実際にグリップにロールヒーター を取り付けます。

ロールヒーターには向きがあるので、位置を確認します。ロゴが逆に向いていないか注意します。
配線の位置はグリップの内側になります。

付属の固定紐で、グリップの外側から靴紐を結ぶ要領で結んでいきます。最初からきつく縛るのではなく、仮に紐を結んだ状態で固定する位置を確認。
決まったら緩みをとって最後に本結びで、ヒーター部の取り付け完了です。

ヒーターの向きは好みがありますが、私は結び目が指先に来るように取り付けました。理由は、手のひらに暖かい部分が直接当たることと、結び目を指に引っ掛けることでグリップ操作がしやすくなるからです。

グリップを下から見たところ。

もう片方も同じように取り付けます。

USBハーネスをハンドルに仮付けします。

ヒーター本体とハーネスを防水コネクターで接続します。

接続部はなるべく目立たない位置に固定します。

余ったハーネスはまとめて結び、適当な場所に隠して置きます。

USB接続部。ボタンは押しやすい方向に設置しました。
ここまでの装着にかかった時間は30分ほど。工具は一切なしで簡単に作業を完了することができました。

 

装着時の注意点

《きつく縛り過ぎない》

ロールヒーターの結び目には金具の補強はされていませんので、あまりきつく引っ張ると、伸びたり切れることもありえるので、きつく縛り過ぎないよう注意が必要です。
そこそこ固定されていれば、使用にあまり問題はなさそうです。

《風の影響も考慮》

メーカーの説明にも書いてあるように、この商品はUSBタイプのため、最大出力は10Wと低めです。風の影響を受けやすいため、直接風が当たらない工夫をすると、より効果が得られやすくなります。
風が直接当たりにくい方向に、暖かいヒーター部を持ってくる工夫や、ハンドガードやハンドウォーマーの併用も効果的だと思います。

《USB接続部は操作しやすい位置に》

走行中も温度調節を行う場合がありますので、ボタン操作がしやすく、温度を確認しやすい位置にUSB電源を設置するのがポイントです。
できればあまり視線を大きく移動しない位置が好ましいです。

 

インプレッション

操作感

《グリップ径が太くなる影響》

ロールヒーターの厚みは2mmです。一番気になっていたのは、グリップが太くなる影響でした。
これは予想通りで、手のひら部分は厚手の冬用グローブを着けているのと同じような感覚です。ただしグローブにオールシーズン用を使えば、指先の感覚は今までと同じなのでクラッチやブレーキの感覚に影響はありません。
私が冬用グローブで一番嫌なのは、指先が太ることでクラッチ操作がしにくくなることです。その点、グリップヒーター+通常グローブなら、操作感覚に影響はありません。
でもこのロールヒーターと冬用のグローブの併用は避けたいです。もしそうする必要があるなら、ロールヒーターではなくグリップタイプのヒーターを選択します。

《ヒーター表面の滑り》

使用して少し気になったのは、ヒーター表面の処理です。
上の写真でもわかるように、表面には凹凸がないので、ゴムのグリップに比べると滑りやすくなります。特にグリップが太くなった分、余計に握力がいるので、滑りやすいと力が入って疲れやすいです。
そのためアクセルワークは、紐の部分を指で引っ掛けるようにして操作していました。この点は今後メーカーに改良してもらいたい部分です。
手のひらに滑り止め処理のついたグローブなら、滑りは少し緩和されるかもしれません。

暖かさ

スイッチをONにして使用開始後、すぐに暖かくなり始めます。2〜3分で
気温5℃の日中に走行してみましたが、赤ランプ(70℃)だと熱いくらいに感じます。ホットの缶コーヒーを握っている感じです。
青(50℃)まで下げると、逆に風の影響かあまり温度を感じなくなります。緑(60℃)に戻すと、ちょうど良く感じました。セローにはグリップに直接風が当たらないハンドガードを装着しています。ちなみに使用したグローブはFOXのメッシュタイプです。
ただしずっと握っていると暖かさは感じますが、手をグリップから放すと、風の影響を受けてヒーターの表面温度もすぐに下がります。
やはりこの商品は、ハンドウォーマーとの併用が理想的な気がしました。ハンドウォーマーを使えば、薄手のグローブでも十分暖かくなります。

ハンドウォーマーを併用して使用してみた

ということで、ハンドガードの上から、ネオプレーン素材の薄手のハンドウォーマーを装着してみました。
保温効果はありませんが、ロールヒーターの効果を最大に最大に活かすことができます。
これで風の影響による温度低下を避けることができますし、雨天時にロールヒーターが濡れることを防ぐこともできます。
この仕様で夜間、気温1℃の中を1時間走行してみました。

結論は、手元は十分暖かく、メッシュグローブでも問題ない快適さです。
赤では熱すぎたため、終始緑〜青で走行していました。ハンドウォーマー併用だと全く風の影響がないので、青でも十分快適でした。
手のひらが暖かいだけでこんなに寒さが緩和されるとは、今まで思ってもいませんでした。
グリップヒーター恐るべし、です。

その他

《USB接続部は防水処理の工夫が必要》

説明書に「簡易防水のため、できるだけ濡らさないようにして下さい」と記載があるように、商品寿命を伸ばすためにも、雨天時の使用はできるだけ避けたほうが良さそうです。
雨天時でもハンドウォーマーとの併用で直接濡れない工夫をすれば問題ないと思いますが、USBの接続部分には防水処理の工夫が必要です。

《使用はアイドリングが安定してから》

最大出力は10Wですが、バッテリーには負担がかかります。ヒーターをONにした状態でセルを回すと、かかりにくかったりエンストすることがありました。
特に冬場の気温が低い状態ではバッテリーは弱っていますので、ある程度アイドリングが安定してからヒーターをONにするのがいいと思います。

 

まとめ

《グリップヒーターデビューにはオススメ》

簡単に装着できて、税込3500円という値段を考えると、この商品はエントリー商品として十分「あり」だと思います。
私のように、今までグリップヒーター導入には抵抗があってなかなか購入に踏み切れなかった人も、まず安価で簡単に装着できるこの商品を、試して経験してみてから本格導入を判断するのはありではないでしょうか。
私はこの商品でグリップヒーターの快適さを知ってしまったので、唯一のデメリットであるグリップの太さを気にしないで済む「グリップタイプ」のヒーターを導入することも考え始めました。

グリップヒーターの世界を知ってしまったおかげで、今後冬季ツーリングの回数も確実に増える気がします。

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