【セロー250】クラッチのカスタムで操作感が向上!〜WR純正スプリング+リテーナーキット装着

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操作系のフィーリングは、バイクのインプレッションに大きく影響する部分の一つだと思います。例えばクラッチフィーリングがスムーズなバイクは乗っていて気持ちがいいし、積極的にシフトチェンジをしたくなります。
セローのクラッチのゴリゴリっとしたタッチは、気になる箇所の一つでした。頻繁にチェンジをする林道走行で、シフトがうまく決まらないこともよくあります。
そのためクラッチの遊びはほとんどない状態でセッティングしていますが、フリクション感のあるフィーリングはあまり気持ち良くはありません。
そこで、クラッチの操作感を向上させるために、クラッチスプリングの交換と、評判のいい「工房きたむら」のクラッチリテーナーキットを装着してみました。

準備したパーツ

  • WR250R純正 クラッチスプリング:×5個 品番 90501-23391(@341円×5)
  • 工房きたむら クラッチリテーナーキット:品番 KITA-Y11-01(6600円)
  • セロー250純正 クランクケースカバーガスケット:品番 4D3-15461-00(1078円)

クラッチスプリングは、タッチをより向上させる目的で、WR250Rの純正品に交換します。
セローと直径は同じなので、そのまま換装できます。

 

工房きたむら「クラッチリテーナーキット」について

工房きたむらの「クラッチリテーナーキット」は、クラッチスプリングを抑えるスクリューとワッシャを換装するキットです。
純正は、クラッチを切るときに、遊びのあるクラッチスプリングがプレッシャープレートに干渉して摩擦し、タッチが悪くなります。
このクラッチリテーナーキットは、遊びをなくして干渉を一切起こさないので、タッチの向上と軽さにも貢献します。

メーカーの説明には、

■クラッチのスムーズな切れ繋がり
■フリクションロスの低減
■ジャダーの軽減
■ディスクの耐久性向上
■ワッシャ使用で繋がり握りの強さの微調整が可能

『装着すると、機械として より設計に近い動きをします。ここに問題が有り、滑ったり、タッチが悪いバイクにはとても効果があります。重くも軽くも出来ます。』

とあります。

調整用ワッシャの枚数によって、クラッチの重さを調整することができるようですが、今回はメーカー推奨の標準枚数(1枚)で装着します(写真中央)。

「クラッチリテーナーキット」の詳しい説明は、下記メーカーサイトをご覧ください。

 

交換作業

リヤブレーキとエンジンガードの取り外し

セローのクラッチを交換するには、左クランクケースカバーを外す必要があります。
そのため事前に、エンジンガードの取り外しと、リヤブレーキ の取り外しを行なっておきます。
今回はエンジンオイルを抜かずに作業したいので、車体を左に倒しておきます。

このときに注意するのは、ガソリンは満タン状態でなく、6L以下にしておくことをお勧めします。(タンクキャップから漏れ出すおそれあり)
写真は6Lほど入っていますが、漏れはありませんでした。
また作業前に、車体の下にオイル漏れ対策にダンボール等を敷いておくのも忘れずに。クランクケースを取り外すときにオイルが漏れてきます。

 

クランクケースの取り外し

最初にオイルラインのボルトを外します。本来ならガスケットは交換が望ましいですが、今回はそのまま。

オイルエレメントカバーボルトと兼用のボルトを基準にして取り外していきます。

ケースを止めているボルトは14本(一番左はオイルラインのボルト)。外した順番に並べておきます。

カバーを軽く叩くと、簡単に開けることができます。
この時、オイル漏れに注意してください。

ケースを開けるとき、ピンが2箇所入っていますので、無くさないように注意してください。

ケースの内面とオイルの状態もチェック。

念のためストレーナもチェック、清掃。

 

クラッチスプリングの取り外し

クラッチスプリングは10mmレンチで取り外せます。

片側が変色しています。プレッシャープレートに干渉していた影響でしょうか。

一応流れで、クラッチの状態もチェックしておきます。
今回は交換の必要はなさそうでしたので、そのままそっと閉じておきました。

 

クラッチスプリング&リテーナーキット装着

プレッシャープレートを戻して、WR純正のスプリングをセット。

リテーナーキットを装着して締め込みます。
この時、本締め前にクラッチを数回握って動かしておくといいそうです。

最後に締め付ける前に少しだけ緩めて、レバーを数回握って、落ち着く所に馴染ませてから本締めするとさらに良いです。

締め込みトルクは、8Nm。⭐︎の字の順で締め込みます。

 

クランクケースの装着

新しいガスケットを挟んでクランクケースを元に戻します。
ガスケットを挟む前に、古いガスケットのカス取りは忘れずに行なってください。

クランクケースのボルトの締め込みトルクは全て10Nmです。
オイルラインのボルトは20Nm。

エンジンガードを装着し、リヤブレーキを元に戻して作業完了。
作業開始からここまでで、約1時間でした。

 

装着後の印象

一般公道

  • シフトタッチの荒さ、フリクション感がなくなり、なめらかなフィーリングになった。
    シフト時の「ゴリッ」の感じがなくなる。
  • 停車時でもギヤチェンジがスムーズにできる。
  • シフト操作のカチッと感がアップした。
  • クラッチミスがなくなる。
  • チェンジがスムーズで軽いので、シフトミスも減る。
  • クラッチがショートストロークでスパッと繋がる。
  • 結果、握る負担も減る。
  • 握りの軽さについては、WRのスプリングに換装したこともあってあまり変化は感じられませんでした。

 

林道

  • 林道ではまだ試していませんので、インプレッションはまた後日掲載したいと思っています。

 

「クラッチリテーナーキット」のインプレッションについては、Webikeの商品サイトでもレビューがありますので、参考にしてみてください。

 

まとめ

今回のカスタム総額は、9383円。1万円以下のカスタムで上記のような明確な結果が得られるので、とても高パフォーマンスだと思います。
買ってすぐの人や初心者にお勧めするカスタムではありませんが、セローを乗りこなすようになって、ちょっとしたフィーリングが気になってきた人や、林道でのパフォーマンスをより高めたい人にとってはぜひお勧めしたいカスタムです。
特にクラッチフィーリングの変化について、私自身の数少ない不満点の1つが解消されたので、とても満足度の高いカスタムとなりました。

クラッチ板を交換するタイミングで、ついでにリテーナーも装着して見るのもいいかもしれません。

 

セロー・カスタム情報

 

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