長距離のツーリングの自走が厳しい場合、車に積んで現地までいければと思うことはよくあります。
特にセロー250での高速走行は、人にもエンジンにも負担がかかります。
そこで、ワゴン車にセローを積んでみたいと思っている方の参考に、ステップワゴン(RP)にセローを積載する場合に必要なものと、積載にあたっての注意点をまとめてみました。
意外と少ない、現行ステップワゴンのトランポ化情報
トランポにミニバンを利用している人は多いと思いますが、現行型のRPステップワゴンは最もトランポに適したミニバンの一つだと思います。
その理由として、
- ほとんど無改造でバイクを積載できる
- 荷室開口部地上高が445mmととても低いので、楽に積載できる
- フロアがほぼ真っ平らなので室内移動がしやすい
- 室内高が高いので、オフ車でも積載可能
- バイクを積んだ状態でも走行性能はあまり変わらない
- 3列目のシートは床下格納タイプなので、積載後のスペースも広い
といった点が挙げられます。
ステップワゴンは、ノア・ヴォクシーやセレナと比較してあまり人気がないようで、販売台数もあまり多くないため情報も少ないのかもしれません。
ただ、人気はあまりないですが、走行性能やパッケージは他車に比べて全く劣りませんし、上記のような特徴のミニバンはステップワゴンしかありません。
人気がないため価格も安くなっているので、ミニバンにバイクを積んでみたいと考えている人には、ステップワゴンの現行モデルはとてもオススメな車です。
そこであらためて、ステップワゴンをトランポとして活用するために必要なものと、事前に行っておくことを以下に記載します。
積載に前に準備したもの
まず準備したものを列記します。
ユニット D1112 ホイールチョック タイプ1
前輪の車止め。板に固定して使います。 |
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ラチェット式 ベルト 4本セット
最低4本は必要になるので、セットだと安いです。 |
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タイヤストッパー
積み込んだ後に後輪を固定します。 |
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アルミラダーレール
いろいろ種類がありますが、なるべく傾斜がゆるいものを選んだ方が積み込みは楽です。 |
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バイク用 フロントブレーキロック
車内でフロントブレーキをかけたままにするためのもの。必須です。 |
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DRC オフロードミラー 正ネジ 左 DRC オフロードミラー 逆ネジ 右 純正のミラーは取り外しが面倒なので、可倒式のこれならたたむだけ。セローは右側が逆ネジになりますので、注意してください。 |
前輪を止める「ホイールチョック」は、当然そのままでは使えませんので、自作のレールに固定して使用します。
レールの製作方法やサイズは、こちらの記事を参考にしました。
コンパネは強度がありますので、薄くても大丈夫です。
私は9mmのコンパネをホームセンターで購入して、そこでカットもしてもらいました。加工賃込みで2,000円弱でした。
積載前にセローにしたこと
セローにしたことは2つ。
1つは上記の折りたたみミラーに変更しました。
積載時には折り畳んでおきます。
2つ目はスクリーンの取り外しです。
私のセローはツーリングセローなので、多分外さないと当たります。
そこでステップワゴンの開口部のサイズをチェックします。
ノーマルセローの全幅は805mm、全高は1160mmですので、そのままでも問題なく入ります。
ただしツーリングセローになると、アドベンチャースクリーンが装着されていて30cmほど高くなるため、そのままでは入りません。
スクリーン部分を外しても、マルチパーパスバーの高さがあるので、念のため積載前にフロントフォークを圧縮しておきます。
ラチェットベルトを片側にかけて圧縮します。その状態で全高を測ったら、ナビのクレードルまでの高さが1200mmありました。
ステップワゴンの開口部は、数値上は1270mmですが、マットやラダーレールのフックの高さを差し引くと約1200mm。
結果、ギリギリでクリアすることができました。
あと、できれば事前に洗車をしておいた方がいいと思います。
積載前にステップワゴンにしたこと
現行のRP型は、標準モデルはセカンドシートがキャプテンシート仕様です。シートとシートの間が空いているので、この間にバイクの前輪を挟むことで、セカンドシートを取り外さずに積載することができます。
ただしオプションのベンチシートだと、取り外す作業が必要になります。
キャプテンシートの間には、アームレストがありますが、唯一、これだけ取り外す必要があります。
アームレストの取り外し方は、「ステップワゴン アームレスト 外し方」で検索するとたくさん見つかります。
ただし、車種によってはアームレストを外さずにそのまま積み込み可能なものもありますので、取り外す前にサイズを測っておくといいと思います。
シートの間をフロントフォークが通りますので、フォークが汚れているとシートも汚れます。
気になる場合は、積載前にブルーシート等で保護しておくといいです。
積載のステップと注意点
ステップ1:車内のスペースと導線を確保
セカンドシートはできるだけ前方に倒しておきます。
積み込み時にぶつかりそうなものはすべてよけて導線を確保します。
ステップ2:ラダーレールの設置
コンパネと一直線になるようにラダーレールを設置。
積み込み時にラダーレールがタイヤで蹴られることがありますので、ズレ防止のフックを車体に繋ぎます。
ステップ3:積み込む
上で紹介したような折りたたみ式のラダーレールだと、ステップワゴンの開口部地上高が低いため、写真のような角度です。
軽いセローなら、あえてエンジンをかける必要もなく、手押しでも楽に積み込むことができます。
注意点は、高さがギリギリなので、ぶつからないことを確かめながらゆっくり入れていきます。
ちなみに車内に乗り込む際の「踏み台」も、この低さなら特に必要は感じませんでした。
ステップ4:フロントサスの圧縮を解放し、車体に固定
前輪の車止めに当たるまで進んだら、ギヤを1速に入れてサイドスタンドをかけ、前輪のテンションフックを解除します。
車体の固定には、前2箇所、後ろ2箇所をラチェットベルトで固定していきます。
後ろの車体側のフックには、サードシートの固定フックを使います。キャリアからフックをかけるのにちょうどいい位置にあります。
ハンドルを車側のグラブバーに軽く固定します。
ズレ防止のため、前輪は「フロントブレーキロック」でブレーキをかけて固定し、後輪には「タイヤストッパー」を噛ませます。
バックミラーはほとんど見えないので対策が必要
積み込み後は、バックミラーで後方を確認できなくなります。真後ろの情報がわからないので、スマートミラー設置などの対策が必要になってきます。
もともとステップワゴンは、ワクワクゲートの影響で、後方中央付近が見えにくいため、ミラー型のドライブレコーダーをつけるのもアリかと思います。
ステップワゴンにミラー型ドラレコを取り付けた記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
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現行型のステップワゴンは、もともと1.7tもある車体を軽々と走らせるV-TECターボエンジンですから、+3〜4名分程の重量増程度なら、走りに影響はほとんど感じられません。
バイク積載時の注意点は、バイクを4点でしっかり固定しておくことです。特にフロントは、ハンドルを左右に幅広くテンションをかけておくと安定します。
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