【セロー250】15000km走行インプレッション。燃費は?高速は?

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14年間乗り続けたDR-Z400Sからセロー250に乗り換えて、2年が経ちました。
その間の走行距離が15,000キロを超えたので、簡単な乗り換えの経緯と2年間で感じたインプレッションを書いてみます。セローにちょっと興味がある人、乗り換えを検討してる人の参考になれば嬉しいです。

DR-Zからセローに乗り換えた理由

DR-Zが唯一の選択肢

2002年モデルのDR-Z400Sを購入したのは2003年でした。獣道のような林道も時々走るので、なるべく軽い250しか乗ってこなかったのですが、それまで乗っていたTTR250Rのパワーが物足りなくなって、初めて中型オフロードに乗ることにしました。
友人の「400には乗らんの?」「400って何があるん?」「DR-Zとか」「DR-Z〜?!全然考えたことなかったわ…」
そんな会話が興味を持つきっかけだったと思います。
DR-Zは重量が140kgと、それまでの400よりも軽量。40psのパワーで重量増はカバーできるし、他のトレールマシンと違ってエンデューロレーサーそのものの車体が魅力でした。スズキって時々こんなバイクを出しますよね…。
北海道ツーリングも行きましたが、幅広くてフラットな林道が多く、まさにDR-Zのステージでとても楽しめました。
その後このバイクは盗難にあって、次の車輌選びでも迷いなくDR-Zを購入しました。

 

DR-Zが楽しめなくなってきた…

ところが年齢ともに体力は落ちていきます。でもDR-Zは元気なまま。140kgの車体も重く感じ始めました。
ちょっと気軽に乗って出かけるとか、のんびり景色を楽しみながら…といった気持ちでも、元気のいいDR-Zはエンジンを回すように急かしてきます。
ばっちり装備を決めて、林道を攻める今までのスタイルにはDR-Zはピッタリでしたが、気軽にゆったり街乗りでも楽しみたいな…っていう時に、あんまり楽しめないことが多くなってきました。
それまで絶対買うことはないと思っていたモデルが、ふと頭をよぎります。
ひやかしついでに見に行ったショップでセローにまたがってみて、長年の見栄と偏見を捨てる決心をしました。
パワーとサイズが今の自分にピッタリなのと、ツーリング仕様のデザインが思ったよりカッコ良かったのも即断の理由でした。

 

インプレッション

デザイン

私が乗っているのはツーリングセローです。
ノーマルに比べて、スクリーンと大型のリヤキャリアがあるのが、ノーマルとの違いです。
好みが分かれますが、ツーリングセローを見なければ、セローには乗っていなかったと思います。その位、スクリーンとキャリアは、私の旅心をくすぐりました。ホイールベースが短いセローは、ノーマルだと車体がとても小さく見えます。車格も125に見えますが、ツーリングセローは一回り大きく見えるので、乗車時のバランスがよく見える所も気に入ってます。

 

ポジション

どこかに書いてあったのですが、セローはもともと国内販売がメインで、身長が170cmの人にあわせて車体サイズを設計したみたいです。
その噂が本当かのように、セローは身長170cmの私のサイズにピッタリで、オーダーメイドのスーツみたいにフィットします。
ちなみにDR-Zは、市場ターゲットが欧米ですので、私には大きすぎました…。
ただしノーマルの状態では、やや前傾姿勢になるのと、シートが低すぎて膝の曲がりが窮屈になるので、ツーリングメインで使用していくために以下の点を変更しています。

  1. ハンドルの位置をあげて前傾姿勢をゆったりポジションに変更
  2. ツーリングシートに変更して膝の曲がりを緩和

特にロングツーリングにセローを使う場合には、シート変更は優先順位が高いと思います。
ツーリングシートは座面がフラットに近くなるので前後にポジションの移動がしやすくなることと、尻の痛みが気にならなくなることも、旅使用には大きなメリットです。
購入当初、ノーマルシートで丸1日ツーリングしましたが、帰る頃には膝がとてもつらくなり頻繁に休憩が必要でした。
ハンドルとシートに関してはまた個別にインプレしてみたいと思います。

 

車体

セローの車体の特長は、ホイールベースが短いことです。
これはメリットとデメリットがあります。
メリットはもちろん小回りがきくので、取り回ししやすいこと。細い道でも安心してUターンできます。ハンドルの切れ角も大きいので、林道でのターンも簡単です。
デメリットは、直進安定性が悪くなること。
特に高速道路での走行時には常に緊張を強いられます。車速に比例してハンドリングに落ち着きがなり、若干ふらつく傾向があります。また高速でレーンチェンジすると、揺り戻しが感じられます。
これは車体剛性にも関係しますが、このあたりの特性は、純正オプションの「パフォーマンスダンパー」を装着することで緩和できます。

 

エンジン

インジェクション仕様のセローのカタログ数値は18psです。例えばDR-Zは40psですから、感覚として馬力も半分以下に感じるか…というと、全然そんなことはありません。
むしろ中〜低速では、DR-Zよりもトルクを感じることすらあります。
発進から70〜80km位までのパワーの伸びはとても滑らかで力強いので、高速を頻繁に使用するのでなければ、日常走行でパワー不足を感じることはあまりないと思います。
ただし250ですから、頻繁にギヤチェンジしてパワーバンドに入れる走行を求められますので、中〜大型の乗り方とは全く違います。
また、極低速での粘りもすごいので、渋滞走行がとても楽チンです。頻繁に半クラでしのいでいたDR-Zとは疲労度合いが全く違います。
振動は、空冷シングルにしては少ない方だと思います。セローのエンジンは高回転型ではないので、回して乗ると逆にパワー不足を感じてしまいます。セローには回さない乗り方が合っているのではないでしょうか。

 

サスペンション

ノーマルセローの数少ない不満点がサスのセッティングです。
特にフロントのサスはセッティングが柔らかすぎて、大きな力が加わると腰砕けになる時があります。
例えば林道でのギャップやわだちに追従しきれなかったり、舗装路での段差超えでハンドルがとられてひやっとすることがあります。特に林道ではフロントサスが弱いと車体まで振られるので、かなり神経を使うのですが、残念ながらセローはサスセッティングはできません。このあたりは、使用状況に合わせてカスタマイズで好みに仕上げていくことになります。

 

高速道路

セロー購入を検討していて高速走行に関心ある人は多いのではないでしょうか。
私の結論は、「十分快適に走れる」と感じました。
ただし、次の点に注意が必要です。

  • メーター読み100kmまでで走行する
  • 長時間高回転をキープしない
  • なるべく追い越し車線は走らない
  • 追い越しは車間距離と追い越し時間に余裕を持って行う
  • 登り坂では追い越さない
  • こまめに休憩する

セローは空冷シングル250の小さなエンジンです。高回転で長時間回すと、エンジンにも大きなストレスがかかります。なるべくこまめに休憩して、エンジンに一息つかせてあげると機嫌良く走ってくれます。
時間に余裕を持って走れば、高速道路を利用したロングツーリングでもストレスはなくなります。
ツーリングセローのスクリーンは、十分防風効果があります。高速道路をより快適に走りたい時は、スクリーンは必須アイムです。

セロー250での高速道路走行はきついんですか?

「高速道路走行はきついんですか?」という質問が多いセロー250。そこで高速走行での細かなポイント別にインプレッションをまとめてみました。

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燃費

これも走り方によって変ってくるのですが、平均でリッター40kmは走ってくれます。高速走行のみに限ると平均約35km。高速では高回転域を使いますので、回すと燃費は落ちるようです。
燃費走りを意識した走行を行ったところ、最高記録は45kmまで行きました。
タンク容量も10L弱ありますので、最低でも300kmは確実に無給油で走れます。ちなみに残り2Lで残量警告灯が走行カウントを開始します。カウントを開始してから50km以内に給油すればガス欠の心配はないでしょう。

 

その他

その他に、セローの印象的な点は、

  • タイヤが減らない
  • ブレーキはやや甘い
  • オイル交換が安い(1.2L)
  • チェーン/スプロケの持ちが長い
  • 維持費が安い

といったことが上げられます。
エンジンの特性として、馬力にまかせて蹴りだすような加速ではなく、確実にグリップして速度を上げていく感覚なので、車体にも無理な負荷がかからず、結果タイヤやチェーンにも負担が少なくなるのだと思います。地球にも財布にもやさしいバイクですね。
ただし小さな空冷エンジンなので、オイルだけは2500〜3000km毎にこまめに替えてあげることがエンジン長寿の秘訣です。

なぜセロー250は初心者にオススメ?スペックではわからない理由

林道に行かなくても、オフを走らなくても、バイク初心者に自信を持って勧められるセロー250。その理由は軽さにあります。最初に軽量バイクの楽しさを知ってからステップアップすれば、バイクライフも長続きします。

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