ヤマハ純正のグリップヒーターをセロー250に装着〜取り付け方法と使用感をインプレッション

先日、寒中のツーリングにグリップに巻きつけるタイプの「ロールヒーター」を装着して走行したところ、とても快適で気に入っていたのですが、長時間走行する場合、グリップの太さがどうしても気になるようになりました。
そこで思い切って常設タイプの「グリップヒーター」を導入してみることにしました。
選択したのは、ヤマハ車専用設計の「ワイズギア グリップウォーマー360 A」。この製品の装着方法とインプレッションをお伝えしたいと思います。

購入した商品〜「ワイズギア グリップウォーマー360A」

商品概要

配線を繋いだ状態

グリップウォーマー360Aを選択した理由

グリップウォーマーを装着するにあたり、たくさんの選択肢からこの製品を選択した理由は下記の通りです。
特にハンドウォーマーを装着した時に、コントローラーが隠れない別体式であることが必須条件でした。
ただしライバル製品に比べてかなり高いので、買うのはかなり勇気が入りました。

  • 2017年販売開始のリニューアルモデル
  • ヒーター全周タイプ
  • 純正グリップと変らないグリップ径(31.4mm:世界最小径)
  • ムラなく温まるステンレスの発熱体
  • バッテリーが上がりにくい設計
  • 純正品の信頼性、ヤマハ車専用設計
  • 消耗や損傷した場合でも補修部品を購入できる
  • コントローラーが別体式(ハンドウォーマーで隠れない)

メーカーサイトはこちら

 

装着前にしておくこと

ヒートスポットの確認

このグリップウォーマーを装着するにあたって、事前にどの方向で取り付けるかを確認しておきます。
この製品は全周が温まるタイプですが、ヒートスポット(特に暖かい部分)が決まっています。

上の写真の銀色にマーキングした部分がヒートスポットです。
マニュアルではヒートスポットは指先に来るように指示されていますが、私の好みで、ヒートスポットを手のひらに当てるように設置しようと思います。

ハーネスのカプラを加工

私のセローには、ヤマハ純正の「モーターサイクル用電源サブハーネスキット」を装着していますので、これとつなぐ場合は、グリップウォーマーのハーネスをカスタムする必要があります。
モーターサイクル用電源サブハーネスキットには「カプラー2極 250型」がフィットするので、事前にエーモンの商品を購入しておきました。

これを使って、ハーネスの先端を加工したのがこちらです。

「モーターサイクル用電源サブハーネスキット」を装着していない人は、マニュアル通り、ヘッドライトリレーの間にカプラを割り込ませて電源を取ってください。
マニュアルのPDFはこちらで閲覧できます。

2極カプラはこちら

 

取り付け手順

必要なもの

装着にあたって必要なものは下記です。
工具はプラスドライバーが必要になります。

  • パーツクリーナー(左グリップの剥離・洗浄)
  • セメダインスーパーX(左グリップに塗布)
  • グリス(スロットル周りに塗布)

グリップの取り外し

左は、グリップとハンドルの隙間からパーツクリーナーを流し込んで接着剤を溶かしながら、ゆっくりグリップを引き抜いて行きます。
グリップを破棄するなら、思い切ってカッターで切り開けば簡単に取り外せます。

右はプラスネジで分解してスロットルごと取り外します。
ケーブルを取り外す前に写真を撮っておくと、つける時に安心です。

コントローラーの位置決めと取り付け

コントローラーは、メーカー指定の位置(左ミラーステーに共締め)に設置します。
この位置なら、ハンドウォーマー装着時も干渉しません。

可倒式ミラーを畳んだ状態でも干渉しない角度で設置します。

グリップの取り付け〜位置決め

左のグリップを装着します。グリップは硬い材質なので、ゆっくり慎重に押し入れます。決してハンマー叩いてはいけません。
グリップを固定する接着剤は、耐熱性のものを使用します。メーカー推奨は、セメダインスーパーXです。

ヒートスポット(銀色の部分)は、手のひらに当たる角度に位置決めします。

ケーブルはスイッチ類に干渉しないよう注意します。

スロットル側は、車種によって位置が決められていますので、写真の位置がセローの指定位置になります。
セローの場合は、ヒートスポットがちょうど手のひらに来るようになっていますので、私の好みの位置で助かります。

スロットル側は、スロットルの動きを確かめながら、余裕を持って電源ケーブルの配線位置を決めて行きます。
私の場合は、ブッシュ走行や転倒してもケーブルが引っかからないように、なるべくハンドルの下には通さないで配線を行いました。ケーブルの材質は柔らかい素材でできているので、上写真のような取り回しでもケーブルにストレスはかかりません。

左右のケーブルとコントローラーの配線は、メーター手前からステアリングステムの下を通してまとめておきます。

ハーネスの取り付け

車体側の「モーターサイクル用電源サブハーネスキット」に、グリップウォーマーのハーネスを取り付けて行きます。
この作業前に、あらかじめシートとカウルを外しておく必要があります。

私のセローは、車体左側に空き電源があったので、まずこれにグリップウォーマーのハーネスを接続します。

タンクの下部を迂回し、接続部を車体右側に持ってきて各コネクタと接続します。

念のため防水対策を施し、余ったケーブルをまとめて車載工具があった位置に固定しておきます。
あとはハンドガードを元に戻して作業終了。
ここまでの作業時間は、およそ2時間ほどでした。

動作確認

グリップヒーター はバッテリーに負担がかかるので、アイドリングしながら通電・動作確認を行います。
スイッチを押すごとに、Hレベル(100%)→Mレベル(70%)→Lレベル(50%)OFF(0%)を繰り返します。
各レベルの出力割合は、10%単位で調整できます。

Hレベル

Mレベル

Lレベル

電源OFF

取り付けにあたっての注意事項

  • ヒートスポットの位置があるので、取り付け方向に注意
  • 左グリップ挿入時はハンマーで叩かない
  • 左グリップの接着には耐熱性の接着剤を使用すること(推奨はセメダインスーパーX)
  • スロットル側のケーブルは、開閉の動きを妨げない引っかかりにくい位置に
  • 本体は防水仕様ですが、コネクター部の防水処理はしっかり行っておくこと

インプレッション

グリップの操作感

メーカーが、ヒーター付きグリップ世界最小径とうたっているだけあって、ほとんど純正グリップと変らない操作感です。
ただし、耐久性を持たせるためか、グリップラバーの材質が硬めで表面が少し滑りやすいです。これは平坦なグリップパターンも影響しているかもしれません。
またラバー部分が薄いので、クッション効果は純正やプログリップよりも確実に低下します。
これはロングツーリングや林道走行時にどのくらい今までより負担増になるのか、今後見て行きたいと思います。

ヒーターの使用感

さすがにヒーター機能については申し分ありません。スイッチONから20秒ほどで、手に暖かさを感じ始めます(ハンドウォーマーなしでの走行時)。
試走した日の気温は7度でしたが、Hレベル(100%の状態:デフォルト設定時)だと流石に熱すぎ流と感じます。一般道ならMレベルで十分です。ただしブレーキやクラッチ操作で手のひらをグリップから離すとすぐに冷えるので、頻繁にレバー操作を行う道ではHレベルが適当かもしれません。
グリップヒーター の機能を最大限に活かすには、直接グリップに風を当てないことです。そこで私は、ハンドウォーマーを併用することを強くお勧めしています。

私がこのグリップヒーター を選択した一番の理由はこれ。コントローラーがハンドウォーマーに干渉しないことです。

この仕様だと、日中ならLレベルでも快適に走行できました。ちなみに使用したグローブはFOXのメッシュグローブです。

まとめ

  • ロールヒーター から乗り換えたが、確実にグリップの操作感は向上。
  • ただしグリップパターンとラバーの厚みが薄いので、快適性能はやや悪い。
  • 全周ヒータータイプなので暖かさに死角なし。ハンドウォーマー併用で、夏用グローブでも快適。
  • コントローラーが別体なので、ハンドウォーマー装着時にも操作・動作確認が可能。
  • 価格は他社製よりも2〜3倍するので、コストパフォーマンスは悪いかも。
  • ヤマハ車なら無加工で装着が可能。ヤマハ車オーナーなら絶対オススメ。

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